近年、消費者問題に対応すべく、国レベルでの独立活動が盛んになっております。
平成13年には、消費者契約法が施工され、平成16年に改正された消費者基本法に消費者の権利が明記されました。
更には、平成19年には消費者団体訴訟制度が実施されることになり、従前の典型的制度から数歩も踏み出した、実効性ある消費者保護制度が制定されることとなりました。
上記に掲げた制度以外、近年、目まぐるしく法改正等がなされております。これらの動きは、今まで積み重ねてきた幾多の消費者運動の成果です。
地方で、事業者と消費者の構造的な格差はますます大きくなり、消費者被害の増加をもたらし、消費者の生活が脅かされています。消費者問題の特色は、日常生活を営む上で、市井の市民が誰でも被害に遭遇する可能性があることで、社会的実態として、消費者は社会の中で圧倒的多数であるにも関わらず、消費生活のなかで、消費者がその力を十分に発揮しきれているとは言えません。
私たちには、明記された消費者の権利を具体化し、消費者が安心して生活できる社会を実現していく努力が求められています。そのためには、消費者一人一人の権利行使を支援する制度の実現とともに、消費者団体の充実した活動をさらに力強く推し進すめていくことが必要です。
大分県下においても、全国的に生起する消費者被害事件のいくつかにつき被害が出てきているのが実態です。しかも近年の被害事例は、被害額が多額であること、携帯電話等を利用し、より組織的・集団的な被害が発生する恐れが高まったこと、事業者側の手口もより巧妙化したことから、被害回復が容易ではないこと、がその特色として挙げられます。
地方、これまで、個々の消費者被害が生起した後でないと集団化、組織化することがなかったといえます。仮に消費者被害に遭遇したとしても、これは個人的な問題であるとして、その解決を個人の努力に委ねることが多く、被害が潜在化しかねず、結果として消費者行政等に反映することに稀少でありました。
今般、私たちが、「大分県消費者問題ネットワーク」の設立を決意したのは、大分県内の消費者被害事例の発生、拡大を憂慮し、相互に連帯して情報公開し、研究を重ね、消費者が主体的に関わることで被害の発生、拡大を防ぐべく関係機関に提言等を行う機関であると認識したためです。
県民の皆様のご賛同とご支援を得て、消費者被害の発生、拡大を防止するための諸活動に取り組むことを、ここに宣言いたします。
2007年8月28日
大分県消費者問題ネットワーク設立総会