コインランドリーの看板表記について改訂を申し入れた事例
1.問題となる条項の内容
コインランドリーの店舗には、以下の広告があります(以下「本件広告表示」といいます。)。
- ①洗濯機半額セール開催中
- ②洗濯乾燥15kg通常価格1400円を半額の700円
- ③洗濯乾燥10kg通常価格1200円を半額の600円
- ④洗濯のみ32kg通常価格1000円を半額の500円
- ⑤16kg乾燥機 キャンペーン価格15分100円(乾燥機の右上に「乾燥機16kg10分¥100」の記載があります。)
- ⑥洗濯機9kg 半額の200円(その下には、「1回約30分¥400」の記載があります。)
- ⑦30kg乾燥機 15分100円(その下には、「乾燥機30kg8分¥100」の記載があります。)
- ⑧毎日ディスカウント!
- ⑨永久保存半額セール中
- ⑩毎日ディスカウント価格!いつでもお得!
2.問題点
(1)広告表示に変更はないと考えられること
当団体が2023年(令和5年)4月と令和6年1月の2回、店舗に赴いて確認したところ、本件広告表示の記載内容は同一でした。
(2)広告表示が景表法第5条2号の有利誤認表示に該当すると考えられること
本件広告表示は、「半額セール開催中」、「毎日ディスカウント」、「通常価格○円を半額の○円」と表記する等し、あたかも通常価格の半額でセールが開催されているかのような記載となっており、本件広告表示を見た一般消費者は、半額セールが開催されており、通常価格の半額で乾燥機や洗濯機が利用できると認識するものと考えられます。
しかし、仮にこのような表記が2023年(令和5年)4月から2004年(令和6年)1月まで継続してなされていたのであれば、通常価格は実態がないことになり、半額として記載されている金額が通常の価格であると考えられます。
すなわち、本件広告表示は、役務の価格について、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるものと考えられます。
以上より、本件広告表示は、景表法5条2号(有利誤認表示)に該当するものと考えられます。
3.成果・経過等
2024年(令和6年)4月26日に、事業者に
(1)本件広告表示やその他消費者の有利誤認をきたすおそれのある広告表示を改訂するご予定の
有無、
(2)改訂のご予定がございましたらその時期、
(3)改訂のご予定がなく、景表法に違反していないと考えるのであればその理由
以上の内容で「質問書」を送付しました。
2024年(令和6年)5月8日に、事業者より、「当団体の指摘に該当する表記は訂正する。7月末に指摘を受けた店舗の看板表記を訂正し、当団体にて問題がないとの確認して頂いた後、他店舗の看板も順次変更する。」旨の「回答書」が届きました。
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