『第6回地方消費者委員会』大分で開催
- 日 時
- 2012年12月1日(土)13:30〜17:00
- 場 所
- 大分NSビル 2階会議室
- 主 催
- 内閣府消費者委員会・適格消費者団体 NPO法人大分県消費者問題ネットワーク
- 後 援
- 大分県・大分市
第6回地方消費者委員会の参加者は、県・市の消費者行政担当者、消費者団体(生協)、消費生活相談員、弁護士など70余名の参加があり開催されました。
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井田雅貴理事長 |
シンポジウムは、冒頭に井田雅貴理事長の開会挨拶で始まり、河上正二委員長の「高齢者の消費者トラブルについて」基調講演で、高齢者を騙しているのは若者。若者を加害者にしない教育も必要だと述べられました。
続いて、「大分における消費者行政の現状と取組み」について山戸大分県消費生活・男女共同参画プラザ所長の報告がありました。
消費生活相談員の現場から最近の事例として、大分市市民活動・消費生活センターの田並相談員、大分県消費生活・男女共同参画プラザの清水相談員から「高齢者の消費者被害の現場からの事例報告」が発表されました。
その後「消費者安心アクションプラン(案)」について坂田消費者庁政策課 政策企画専門官より説明がありました。
休憩の後、パネルディスカッションが行われコーディネーターに原消費者委員会事務局長が務め、当法人の井田理事長、村上美佳子理事を含む5名のパネリストから高齢者の消費者トラブルの現状について報告がありました。
高齢者被害の防止・救済についてディスカッションが行われ、主な意見には「従来通り、体力や判断力の衰えた高齢者だけを啓発対象に高齢者対策をとっているだけではいけない。最近では、知識、学歴、お金や社会的地位もあり、判断力がしっかりした高齢者が投資詐欺の被害に遭って相談に訪れるケースが増えている」「消費者被害に遭ったことを周囲に相談したり、情報提供することで、社会全体の消費者被害が軽減されるという共通認識を育む必要がある。『相談することは恥ずかしくない、みんなで地域を守ろう!』の意識が大切」「悪質業者の口座を凍結し、仮押さえしても、残金がゼロというケースが多い悪質業者の『やり得』を阻止する抜本的な取組みが必要」「悪質商法はやっただけ損をする、やったら捕まる、と悪質業者に思わせる抜本的な対策が必要」などが出されました。
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河上正二委員長 |
最後に、河上委員長から「高齢者被害には決め手となる解決策がないが、『見守り』と『連携』が重要なキーワード。若い人や行政が見守るだけでなく、今後は消費者問題の関係者や法律家だけでなく、大脳生理学の分野の方なども含む、多様な連携が望ましい。また、バーチャルオフィスやレンタル電話等、人をだますためのツールが使いにくくなるよう、制度的な工夫も必要。消費者委員会としても、高齢者被害の問題を一過性のものとせず、関係する方々と問題を共有しながら具体的な解決策を探っていきたい」と締めくくりました。
最後の質問コーナーでは、大分県消費者問題ネットワークが、今差止請求で取組まれている予備校の現状についての質疑応答がありました。皆さん方に今後も消費者被害に関する情報提供を是非お寄せいただきたいとのお願いをして幕を閉じました。
…地方消費者委員会とは…
消費者委員会の委員が地方に出向き、消費者のみなさま、関係各団体のみなさまの声に直接真摯に耳を傾け、問題の解決に効果的に取り組むために、地方の関係団体や自治体などと連携し、地方での意見交換等を開催するものです。
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